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御朱印うずまき(32) 千葉・真野寺



ミル・マスカラスの昔から、プロレスと覆面レスラーは切っても切り離せない。

庵乃の好きな新日本プロレスでは現在も、獣神サンダーライガー、
タイガーマスク、マスカラ・ドラダ、キャプテン・ニュージャパンなど多彩なマスクマンが
個性溢れるレスリングを見せてくれている。

しかしまさか仏像の世界にもマスクマンがいるとは知らなかった。

訪れたのは、千葉県南房総市。
寒さの厳しい城下町育ちのくせして寒いのが嫌いな私が、
秋冬になると訪れる温暖なこの地の古刹に、その仏さまはいらっしゃった。

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その名も、覆面千手観音。
(画像は同寺で購入したポストカードの一枚)

何とこの千手観音様、
「開帳しても顔を秘す“秘仏中の秘仏”」(『日本の秘仏を旅する/平凡社』)とも称される実に珍しい仏さまで、
面部には「行道面」と呼ばれるお面がかぶせられている。

聞けばこの仏さま、あまりに霊力が強く、人に災いを招くほどだったとかで、
覆面をしたら、ほどよいあんばいで人々をお守り下さるようになったそう。
基本的に、覆面の下の顔は住職など限られた人しか目にすることがかなわないという、
怪異も怪異、世にも面妖な観音様なのである。

貴重な御開帳の機会に、念願かなって内陣まで入り、厨子の間近で観音様を
拝むことができた庵乃、
「もしも(一般人が)覆面の下のお顔を見たりしてしまったら、どうなりますかね」
と解説をしてくださったお寺の方に聞くと、「この世からいなくなってしまいますね」と
笑いながら返事をされ、一緒になって「わはは」と大笑い。
おしっこちびりそうになり、いい歳こいて内股になるや、すり足で内陣を後にしたものだった。

像の方は平安時代、お面の方は南北朝時代に作られたという、地方色豊かな古仏。
まさにいつの世も、マスクマンは見るものをミステリアスな異世界へと引きずりこむ。

はっきり言って
薄暗い内陣にぼうっと浮かびあがる覆面千手観音様
……………………すごすぎでした。

暖かくなるつもりがけっこう鳥肌ものの体験となった、その日の南房総でした。
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竹書房ラブロマン文庫より『みだら催眠術』発売



11月28日、竹書房ラブロマン文庫から書き下ろし新作が発売になります。

タイトルは――『みだら催眠術』

内容はと言いますと……

『徹くん、もう分かったろう? 俺、最強の催眠術ソフトを開発しちゃったんだ――』
義兄が開発した、瞬く間に人を操り、しかも記憶を残さない特殊な催眠ソフト。
それを預かった加納徹は、妻とその三人の姉妹の淫らな本性を引き出し、淫獄へ誘う。
職場のド真ん中で公開子作り! 学生の前で実演セックス指導! 銭湯の男湯を未亡人との淫らな混浴風呂に!
そして清純派アイドルの媚肉を味わう特殊すぎるファンの集い…。
周囲も巻き込んで欲情を開放し尽くす、万能ハーレムエロス!


という裏表紙の説明文通り。
全編、エロ、エロ、エロの、歪みきった妄想大炸裂の一本となりました。



御朱印うずまき(31) 福井・中山寺

中山寺

初めて小浜を訪れたときは、
山と田んぼと空と海が開放的に広がるすこーんと突き抜けた風景に
感動すら覚えたものだった。

中山寺は、小浜市街から車で40分ほど。
福井県高浜町にある。

訪れた目的は、高野山開創1200年記念で特別開帳された
同時の秘仏を拝ませてもらうためだった。

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(画像は中山寺のホームページタイトルより)

室町時代に建立されたという味わい深い本堂。
その奥深くの厨子の中にいらっしゃったのが、こちらの仏さま、三面八臂の馬頭観音坐像。

いや、すごい迫力でした。

マジで。

馬頭観音というのは観音仏のなかでは珍しい、憤怒相を持つ仏さまだが、
髪を逆立て、牙を剥いて睨むこの仏さまのお顔は、明王さながら。

気圧されて息を飲み、しばし立ち尽くしたのち、
思わず手を合わせて、「す、すみません…」と謝ってしまったものだった。
私はいったいなにを謝罪していたのだろうか。

聞けば若狭・近江(湖北地方に集中)のあたりは馬頭観音信仰の盛んなところらしく、
(牛馬を使った街道輸送や旅、漁を仕事とする人たちの海難の守りとして信仰されたと聞いた)
私は他にもいくつかの古刹やあっと驚くような場所で馬頭観音様にお目にかかった。
(いつかブログに書きます)

そう思って改めて頭部の馬に目をやれば、
憤怒相の上にちょこんと鎮座する馬は意外にキュート。

寸分の隙もない高嶺の花のいい女がくしゃみをしたら、
ドリフのカトちゃんみたいだった、そんな親近感が芽生えた庵乃だった。

それにしても、小浜に来ていつも驚くのは、
我々拝観者を受け入れてくださる寺の方々の、性善説に基づいているのであろう鷹揚な対応。

その時間にお寺を訪ねたのは私だけだったからという理由ももちろんあるが、
「ごゆっくり、仏さまを拝んでください」と、
案内の方がお堂を去り、一人きりにされたときは、いささか意外だった。

仏像ファンにはたまらない、最高すぎる時間。
私はうっとりと仏さまに見とれ、二度とは訪れないだろう至福のひとときを
仏さまと二人きりで過ごした(ウフ♪)。

でもって、御朱印ファンとして嬉しかったのは、こちらの御詠歌。

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上のホームページ画像をご覧いただけば分かる通り、
中山寺にも中山寺だけの御詠歌があることが分かり、
それもいただけないかとダメ元でお願いしたところ、
「そんなのやったことないんですけど、まあ、私の字でいいなら」と
受付事務所で対応してくださった女性(もしかしたら、お庫裏様?)が達筆で書いてくださったのだ。

貴重な逸品です。むふふ。( ̄ー+ ̄) ←ドヤ顔

そして抜けるような青空の下、観音様に別れを告げて、私は寺を後にした。

生きることもまた旅であるならば、
馬頭観音様、どうかあぶなっかしいおっさんの
恥と失態と試行錯誤だらけのささやかな旅路を、見守ってやってくださいましね(合掌)。








頼みましたよ?(しつこい。笑)
 

御朱印うずまき(30) 滋賀・医王寺

医応寺

いわゆる湖北地方。
高月・木之本地区には、心癒される美しい十一面観音が多い。

高時川の上流にある大見という集落。

本当にカーナビ、あってるのか?と不安になるような川沿いの細く暗い道を蛇行し、
(木立に囲まれた暗い道を一人黙々と歩いている青年を目撃し、
ようやくこの先にも集落があるんだなと胸を撫で下ろした次第)
橋を渡った先に、お寺はあった。

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濃い緑に包まれた、小さなお堂。

あらかじめ予約をし、約束した時間の通りに訪れたのだが、待てど暮らせど世話役の方は現れない。

電話をすると、「ああ、着きましたか? 今行きますから」と明るい声。
無駄足に終わらずにすみそうだと、またも胸を撫で下ろす。

そんなところに、さきほど目撃した青年がふらりと現れた。
いぶかしげに庵乃を見たり、錠のかけられたまま中も見えないお堂をきょろきょろ。

同じ時間に拝観の予約をしていたのかと思って声をかけるとそうではなく、
旅でこの地を訪れたため、どんなお寺か見てみたくて、
ガイドのチラシを片手にやってきたとのこと。

うーむ、無謀だ(笑)。

はっきり言って、外から見るだけでは、
お堂の建物マニアとかなら別かも知れないが、さほど面白みはない。
少なくとも、お堂の中にいらっしゃる観音様を拝みたいばかりにここを訪れた庵乃は
そう説明し、一緒に見ようと青年を誘った。

「いやあ、ラッキーだったな、オレ」と青年。
そう。メチャメチャラッキーだったぞ、青年よと私も思った。

やがて世話役の方が到着し、ようやく戸を開けてくれた。

お堂の中は畳敷き。
最奥に厨子がある。

そして厨子の扉を開けてもらい、やっとお会いできたのが、こちらの観音様。

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(画像は同寺で購入した生写真の一枚より)

前の日記にも書いたが、はっきり言って実物から受ける
気圧されるような感動は、とても写真では伝わらない。

ご存じの方も多いと思うが、こちらの仏さまは
井上靖の小説『星と祭』(娘を失うという深い傷を心に負った主人公が、
ひょんなことから湖北に伝わる十一面観音様たちのことを知り、
秘仏だったりなかなか拝むことができなかったりするそれら観音様と次々に
出逢いを果たすことで、悲しみの縁から立ち直っていく物語。私もとても好きです)
にも登場する観音様。

厨子の脇にも、しっかりと『星と祭』初出版時の貴重な本が飾られていた。

同作では、清純な乙女の姿をモデルにした観音様、といった描写がされ、
作中の主人公がとても感動する様子が描かれているが、
ほんと、生でお目にかかったこの仏さまはとても美しかった。

柔らかな表情で微笑んでおられ、肉感的な厚い唇は意外にセクシーだ。

「きれいな仏さまですね」
世話役の方(初老の男性)に思わず言うと、
「そうでしょ。みなさんにそう言っていただけます」
と、とても誇らしげに微笑んだ顔が忘れられない。

現在は二十数戸の世帯で持ち回りで管理をしているらしいが、
この集落のみんなの誇り、といった喜びめいたものが沸々と伝わってきて、
つい一緒に仏さまを見上げたものだった。

旅は道連れ。
拝観後は、見知らぬ青年を車に乗せ、次に行きたいと思っていたというお寺まで連れていってやる。

大学生ぐらいかと思ったが社会人で、
勤めていた会社から転職し、新しい会社での生活を始める前のリフレッシュに
湖北地方を訪れたという。

がんばれ青年、と手を振って、次の寺で別れた。

きみは相当運のいい青年であるぞ。
もっとも、手持ちの運のかなりの量は、この日のラッキーな出来事で使ってしまったかも知れないが。
 

御朱印うずまき(29) 長野・長雲寺

長雲寺

「五大明王」と書いていただける御朱印も珍しい気もする。
そもそも五大明王すべてを安置しているお寺自体が少ないらしいので、無理もないか。

長雲寺は長野県千曲市にある古刹。
ガン封じの寺としても知られているらしい。

国指定重要文化財の愛染明王像が参道右手の収蔵庫に安置されており、
拝観を願い出ると(ちなみに、拝観は要予約です)、まずはこちらの収蔵庫の鍵を開けてもらえた。

愛染明王
(画像は、購入した大判写真の一枚より)

うーむ、かっこいいですなぁ。
愛染明王といえば、色は赤。造られた当初は、さぞギンギラギンの鮮烈な赤ボディであったことでしょう。

天衝く怒髪や見開いた目も雄々しく神々しいイケメンの仏さまで、
ほどよいお腹の出具合もナイス。
(ちなみに庵乃は仏像巡りをするようになってから、逆ダイエット状態が止まらない
自身の体型をあまり気にしなくなりました。
仏さまたち、みなさんいい具合に官能的にお腹出ていらっしゃいます
って、そんなところで救われてどうする)
二の腕のプニプニ感なんぞ、ついニヤニヤしながら触ってしまいたくなるほどでした(セクハラ親父か)。

ちなみに愛染明王は、ローマ神話のキューピッドのような弓矢を持っていることから、
縁結びの仏さまとしても有名。
庵乃は深くこうべを垂れ、手にした数珠がすり切れて火を噴くのではないかと思うほど
擦りあわせて拝んできました(切実すぎ。笑)。

そして、案内してくださったお庫裏様に導かれ、続いては本堂へ。
凜と神聖な気の漂う本堂須弥壇には、思わず「おお……」と嘆声を零したくなる五大明王様が。

五大明王
(画像は同寺の中興300年記念出版物『稲荷山五大院 長雲寺』より。
売り切れてなければ、お寺で購入できます)

右からずらりと、 降三世明王、軍荼利明王、不動明王、大威徳明王、金剛夜叉明王が
並ぶ様は、はっきり言って圧巻かつ美麗かつ官能的。
ジャ○ーズに痺れる女の子たちの気持ちがよく分かる電気ビリビリ状態で、
ためつすがめつ(というほど時間はかけられなかったが)お姿を眺め、拝ませていただいた。

ちなみに愛染明王も含めて、すべて江戸時代に造られた仏さまとか。

帰途の高速道路は、とても幸せな気持ちで戻ってこれた、その日の私でした。

「私の字でよければ…」
と恥ずかしそうにしながら御朱印を書いてくださったり、
いろいろとお話を聞かせてくださった優しいお庫裏様にも、感謝、感謝。
 

御朱印うずまき(28) 静岡・智満寺

IMG_20151110_0001のコピー

思い返せば、仏像なるものに本格的に興味を持ったのは、
京都の金戒光明寺でアフロ石仏(正確には、五劫思惟阿弥陀仏)を
目撃したあたりがきっかけだったと思う。

そしていつしか、方々を回る庵乃の旅は、
御朱印と仏像がセットになった(むろん、それ以外にも、まあいろいろとあるのだが( ̄ー+ ̄))。

静岡の智満寺を訪ねたのは、9月の初旬。
秘仏の御開帳があると知ってのことだった。

御開帳となったのは、本尊の千手観音。

なんとこの秘仏、本来は60年に一度の御開帳とかで、
本来なら次の公開は2054年(死んでますね、わたし)だった仏さま。
新たに造られた頼朝杉・弥勒菩薩像の勧請を記念し、
特別に開帳されることになったと聞き、
「これはぜひこの目でじかに見てみたい」と訪れた次第だった。

でもって念願叶い、お会いできたのが、こちらの仏さま。

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(画像は、智満寺発行のガイドブックより転載)

はっきり言って、事前にお姿をネットで見たときは、
「なんかおっさんみたいだな」と思った庵乃。
でも実際にお目にかかると、不思議なことに印象は一変する。

何というか、物書きのくせにうまく言えないが、
美しく、神々しい、とでもいうべきか。
力強さと同時に何とも言えない繊細さが感じられたことに、
大いに驚いたものだった。

いろいろな仏さまを拝んで歩くようになってからしみじみ思うが、
書籍やネットなどで目にすることのできる写真の印象とは、
実際の仏さまは醸しだす佇まいがまったく違う。

光の加減や目にする角度、いらっしゃるお堂などの雰囲気
といったものも関係するだろうが、
百聞は一見にしかずを地でいく、感受性沸騰ものの感動を与えてもらえる。

この千手観音にも、庵乃はそんな風に激しく心揺さぶられた。
おっさんなんて思ってごめんなさいと、思わず手を合わせたものである。

駅前から乗ったタクシーの運転手さんの話では
(智満寺は、庵乃のへたくそな運転ではとても辿り着けない
凄まじく細く曲がりくねった道の先にようやく姿を現す山寺なのです。
茅葺き屋根を持つ本堂も、一見の価値あり。素晴らしいです)
わざわざ台湾から訪れた参拝客もあったとかですが、
それだけの価値は会ったことでやんしょう。

それにしても、60年に一度とか、秘仏の世界って面白い。
住職一代につき一回、とかいう仏さまもあったり、
住職ですら拝めない絶対秘仏(善光寺とか。7年ごとに開帳されるのは前立ち本尊)も
あったりとか、調べだすと実に興味深い。

逢いたいときに逢えないなんて、恋人みたいですね(ちがうか)。
 

イースト・プレス悦文庫より『桃色無限ループ』発売!



11月8日、イースト・プレスさんの悦文庫ブランドから、
庵乃の新作が発売になります。

タイトルは――『桃色無限ループ』

内容については、表紙画像の帯の惹句で、
ぜひあれこれと想像していただければ、と。

発売後に、また言及するかもです。

乞うご期待。